ベラルーシのマケイ外務相はこのほど、米国からの石油輸入を開始すると発表した。ポンペオ米国務長官が2月にベラルーシを訪問した際、ルカシェンコ大統領と結んだ合意に基づくもので、調達先を多様化し、石油化学産業の原料を確保するというベラルーシ政府の方針に沿うものだ。石油調達をめぐってロシアとの関係が緊張する中、ベラルーシにとっては同国をけん制する意味もある。
マケイ外務相は輸入開始について、「エネルギー分野における米国との提携は、我が国のエネルギー安全保障の核となるものであり、経済的主権の強化につながる。また、今後の両国間の貿易・投資活動でも重要な位置を占めることになるだろう。我が国は今後も米国との経済的な絆の強化に努める」と歓迎の言葉を述べた。
米国産石油を積んだタンカーの第1便は、6月初めにもリトアニアのクライペダ港に入港する予定だ。
ベラルーシはエネルギーの供給をほぼ全面的にロシアに頼ってきたが、最近は調達先の多様化に動き出している。今年1月にはクライペダ港経由でノルウェーから、3月と4月にはウクライナのオデッサ港経由でアゼルバイジャンから石油の供給を受けた。先月末にはサウジアラビアから石油を買い付けたことを発表している。