ポーランド、ロシア産ガスの輸入量低減

ポーランド国営の送ガス事業者ガスシステムはこのほど、ロシア北極圏のヤマル半島から天然ガスを輸送する「ヤマル欧州パイプライン」の輸入量がほぼゼロになったことを明らかした。両国間の天然ガスの輸送契約は5月17日に失効していた。ポーランドは欧州連合(EU)の決定に従い、ロシアへのエネルギー依存度を引き下げる方針を示している。

ガスシステムはまた、輸送契約の失効を受け同パイプラインの余剰輸送能力をオークションで販売する計画も明らかにした。同社によると予約輸送容量は5月23日から急減していた。

ポーランド国営のエネルギー大手PGNiGも、ロシア産天然ガスの輸入シェアが2017年の77%から60%まで低下したことを明らかにしている。同国の天然ガスの年間消費量は180億立法メートルで、従来の契約ではロシアがポーランドに対し年100億立方メートルの天然ガスを供給するとされていた。同国ではすでに数年前から、ロシア国営ガスプロムとの長期契約の期限が2022年に切れるのを受け契約を更新しないよう求める声が出ていた。

ポーランド政府はロシアからの輸入に代わり米国やカタールから液化天然ガス(LNG)を購入するほか、北海油田産ガスのパイプライン「バルチック・パイプ」の建設を進め、ノルウェー沖からデンマークを経由して天然ガスを輸入する計画を進めている。

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