チェコ銀行協会が5月28日発表した調査で、新型コロナウイルスの流行が購入・決済形態の変化につながっていることが明らかになった。実店舗の休業や、現金のやり取りへの不安を背景に、オンラインショップや非接触型決済の利用が増えている。
実店舗での買い物の決済手段として銀行カード(デビッドカード)を使う人は77%、クレジットカードは20%だった。現金決済も70%と多いが、「現金だけ」という人は年配者を中心とする10%にとどまった。
スマートフォンやスマートウオッチを用いた非接触型決済の利用も広がっている。利用者の35%が初めて使った時期を「ここ数カ月」としており、新型コロナの流行が背景にあるようだ。コロナ流行で「現金に触れるのが怖い」と答えた人は5%に過ぎないが、「念には念を」で新しい決済手段を試している様子がうかがわれる。
オンラインショップについては、ロックダウン(都市封鎖)措置を機に「初めて利用した」人が3%、「これまで買っていなかったものを購入した」人が6%に上った。
現金の入手先は自動預払機(ATM)がトップ。59%が月1度、21%が週1度、利用する。ただ、デジタル化やカード決済の普及で、現金を引き出す頻度は徐々に低下している。
一方、ATMで現金を預ける人は少数派で、65%は「預けたことがない」と答えた。
なお、チェコにおける非接触型決済の上限額は500コルナ(18.7ユーロ)だが、過半数の60%が「これで足りる」と考えている。他国と異なり、チェコでは新型コロナ流行を受けた上限額の引き上げが行われていない。(1CZK=4.52JPY)