ウクライナ政府は5月27日、米国のルイジアナ天然ガス輸出会社との液化天然ガス(LNG)の輸入、およびガス輸送インフラの向上に関する覚書を閣議で承認した。調達先の多様化により天然ガスを長期的に確保するとともに、欧州連合(EU)との輸送インフラ整備に取り組む。提携期間は最低20年間で、ウクライナは年間55億立法メートルのLNGを調達する計画だ。
ロシアによるクリミア併合後、石油・天然ガスの新たな調達先を模索しているウクライナは、同様に調達先多様化を進めるポーランドと昨年8月、天然ガス供給で米国と3国間提携の合意を交わした。LNGの受け入れにはポーランド・バルト海沿岸のシフィノウイシチェLNG基地を利用するため、同基地とウクライナのビルチェ・ボリツコ地下貯蔵基地を結ぶパイプラインを整備する。ポーランドはシフィノウイシチェ基地の年間処理能力を現在の50万立方メートルから75万立方メートルに引き上げるほか、グダニスク湾に浮遊式LNG受け入れ基地を設置する計画だ。
ウクライナは原油調達でも米国とすでに契約済みで、昨年7月、黒海沿岸のオデッサ港経由で初輸入し、今年5月半ばに2回目の供給を受けている。