世界銀行は今月8日に発表した最新の「世界経済見通し」で、トルコの経済成長率が今年はマイナス3.8%に落ち込むとの予測を示した。新型コロナウイルス危機で世界経済が失速する中、トルコも外需の冷え込みによる輸出減少や感染抑制に向けた各種制限、国内の投資低迷で景気後退は避けられないとの見方だ。ただ、来年はプラス5%に急反発するとみる。
トルコ経済は今年1-3月期(第1四半期)に前年同期比で4.5%、前期比では季節・労働日数調整後で0.6%それぞれ拡大した。アルバイラク財務相は経済に早くも回復の兆しがあることを示唆し、10-12月期(第4四半期)には「経済活動が潜在レベルに戻り、今年をプラス成長で締めくくることができる」とみている。
世銀は当初、トルコの今年の経済成長見通しを3.5%としていたが、4月初め、新型コロナの深刻な経済影響を考慮して0.5%に下方修正した。政府の経済支援措置により景気後退は回避するとの見方だった。