ロシアの沿海地方でカジノ開発が進んでいる。政府は同地方を国際的なカジノ拠点とし、「ロシアのラスベガス」として売り込んでいく方針だ。
沿海地方は極東の観光プロモーション「ロシアの東の環(イーストリング)」で、統合型娯楽ゾーン(カジノ特別区)に指定されたのを機に、カジノ建設が活発化。シェスタコフ副知事によると、現在は1軒しかないが、2023年までに11軒に増える予定だ。すでに投資総額は785億ルーブル(9億9,300万ユーロ)に上っているという。
政府は2009年、沿海地方にカジノ特別区を設置することを決定した。2015年11月にオープンした「カジノ・ティグレ・デ・クリスタル(Tigre de Cristal)」は、これまでに150万人が訪れ、年間約5億ルーブル(632万ユーロ)の売上を計上している。ロシア企業ダイアモンド・フューチャーが9億ドルを投じて開発するカジノが今秋までにオープンする予定だ。カンボジアのナガコープも現在、「ナガ・ウラジオストク・リゾート」を建設している。このほか投資元として、香港、中国、韓国の企業が名を連ねる。
沿海地方のカジノ特別区が照準を合わせているのは、日本の観光客だ。このため、日本の旅行代理店や観光プロモーション企業と提携を進めている。
ロシアではカジノは基本的に非合法だ。沿海地方のほか、アルタイ地方、クラスノダル地方、カリーニングラード地方に設けられた特別区のみで営業が認められている。(1RUB=1.50JPY)