露EC最大手ワイルドベリーズ、欧州での事業拡大へ

ロシアのネット通販最大手ワイルドベリーズはこのほど、欧州事業を今後大きく拡大し、同地域でのプレゼンスを高めていく方針を明らかにした。バカルチュク最高経営責任者(CEO)がタス通信の取材に答えた。同社は今年1月のポーランド進出を皮切りに5月にはスロバキアにも進出し、欧州展開を本格化している。

一部報道によると、同社はフランスとドイツを含む10カ国に進出することも計画している。欧州全体のネット通販市場は急速に拡大しており、昨年の総売上高は前年比13.5%増、前々年比でも13.5%増となる6,210億ユーロに伸びた。欧州での競合相手としては米アマゾンを筆頭に、ドイツのオットー、英国のジョン・ルイスなどがある。バカルチュクCEOはルーブル安のためロシア製品の欧州での競争力が強くなる可能性があるとし、新型コロナウイルスの流行による景気悪化に悩むロシア企業に成長機会を提供していく意向を示した。

ワイルドベリーズは2004年に韓国系ロシア人で元高校教師のタチアナ・バカルチュク氏によって設立された。同社は衣類、化粧品、家庭用品、家電、本など幅広く扱うロシア最大のオンラインショップ。2019年の売上高は前年比94%増の約31億ユーロだった。同社はロシアの他、ポーランド、スロバキア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン及びアルメニアでも事業を展開している。

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