コロナ危機を機に、ルーマニアで自動化の動きが加速しそうだ。医療機関では人手不足の緩和や感染リスク抑制に向けて、定型作業を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)や消毒ロボットの運用が進み、その効果が実感され始めている。
新型コロナウイルスの流行にともない、医療機関が臨床検査の実施にRPAソフトの世界大手、米UiPath(ユーアイパス)のソフト導入を進めている。医療分野ではRPAソフトの活用で、経営・バックオフィス機能を中心に業務の最大36%が自動化できるといわれる。これにより、医療の本来の目的である患者のケアにもっと時間を割けるようになるというわけだ。
また、地元のスタートアップ企業であるブカレスト・プロモ・ロボッツは、内務省のコロナ対策当局と連絡を取り、ブカレストの複数の病院に消毒ロボットを試用として提供した。紫外線を使って消毒する方式で、広く混雑したスペースでも作業できる。耐性菌の除去率は99.9%で、効果的に病原体を取り除くことができるという。
また、コロナ危機は「従業員の安全確保」という観点からも製造の自動化を後押ししそうだ。ルーマニアではワーカー1万人当たりのロボット導入数が15台と、世界平均の74台を大きく下回り、ポーランドやハンガリーにも後れを取っている。競争力強化に向けて、ルーマニアの製造業界は今後、自動化・ロボットの導入に向けた大きな投資が必要になりそうだ。