ポーランドEコマース最大手のアレグロ、来月上場へ

ポーランド電子商取引最大手のアレグロ(Allegro)は14日、来月、ワルシャワ証券取引所に上場する計画を明らかにした。時価総額で100億~120億ユーロを想定しており、実現すれば、同国の新規株式公開(IPO)として過去最大となる。調達資金で債務の一部を返済する意向だ。

計画によると、アレグロは新規発行株10億ズロチ(約2億2,500万ユーロ)相当と、既存株主の持ち株の一部を売却する。公開される株式の割合は未決定だが、計画に詳しい筋によると、20~25%になる見通しという。

アレグロの主要株主はペルミラ、シンヴェン、ミッド・ヨーロッパ・パートナーズ(MEP)の投資会社3社。このほか、経営陣が株式を保有する。投資会社3社は2016年に南アのナスパースから32億5,000万米ドルでアレグロを買収した。

アレグロは1999年の創業。実際に同社サイトを通じて買い物をしているアクティブ・バイヤーはおよそ1,230万人に上る。卸・小売を合わせて、11万7,000社が出店する。今後は翌々日配達が可能な商品の割合を拡大させるほか、フィンテック事業の強化を予定している。

2019年の売上高は23億9,000万ズロチ、純利益は3億9,900万ズロチ(8,970万ユーロ)。6月末現在の純債務は調整済み営業利益(EBITDA)の3.7倍に上った。

ポーランド経済は1992年以来、新型コロナ流行まで常にプラス成長を続けてきた。過去10年で中産層が大きく成長したが、小売売上高に占めるオンライン取引の割合は8%に過ぎず、大きな伸びしろが見込まれる。

これまでのポーランドIPOで規模が最も大きかったのは2010年のPZU(保険会社)で、調達額は21億ユーロに上った。(1PLN=28.23JPY)

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