ロシアIT大手のヤンデックスが来月1日にトルコ拠点を閉鎖するもようだ。現地メディアによると、大規模なネットプラットフォーム運営者を対象とするソーシャルメディア法の施行を受けた判断で、トルコ事業は今後、ロシアから運営する。ヤンデックスはこれまでのところ、報道内容の真偽を問う取材に応えていない。
トルコでは7月、100万人以上が利用するネットプラットフォームの運営者を対象とするソーシャルメディア法が成立した。これにより、運営者は◇トルコに現地企業を設立◇ユーザーの身元を記録◇コンテンツの監視強化(「偽情報」、「侮辱的内容」を含む投稿を消去)――が義務付けられる。違反すると、◇100万~1,000万リラ(13万8,000~138万米ドル)の罰金◇広告のブロック◇最大90%の帯域幅制限――といった処罰を受ける。
エルドアン大統領は2016年のクーデター未遂事件以来、報道機関の閉鎖や記者の逮捕など、表現の自由の制限を強めてきた。このため、反対派を中心にツイッターなどソーシャルメディアの利用が進み、若い世代の情報収集源はほぼ100%、ソーシャルメディアという状況が生まれている。今回の法施行については、ソーシャルメディアの重要性を踏まえたさらなる抑圧措置という批判がある。(1TRY=13.76JPY)