エストニア国営電力エースティ・エネルギアが国内北東部のイダ・ヴィル県にメタノール生産のための複合生産施設(コンプレックス)の建設を計画している。同県が進める持続可能な経済実現計画に組み込まれるもので、投資額は2億8,000万ユーロを見込む。先ごろ公共行政相、経済問題・インフラ相、イダ・ヴィル県行政担当に開発計画書を提示し、明らかにした。
メタノールプラント建設プロジェクトはタリン大学ヴィル校と複数の頁岩採掘会社との提携によるもので、熱分解で発生したガスの再利用によるメタノールの生産が目的だ。ポリマーや他の化学品原料の生産に必要なホルムアルデヒドの生産も可能になる。従業員は数百人を予定する。
開発計画にはオイルシェール・ガソリン生産施設と、同燃料を化学製品向けの高品質原料に加工する精製所の建設プロジェクトも盛り込まれている。投資額は1億5,000万~2億5,000万ユーロを予定する。このほか、温暖化ガス排出削減を目指し、アウヴェーレ発電所に6,000~8,000万ユーロ、バルティ発電所に5,000~8,000万ユーロを投じてバイオマス燃焼能力を大幅に増強する考えだ。また、グリーン水素(再生可能エネルギーを利用して作る水素)の生産開始は2024年ごろと見ている。