2020/9/30

総合・マクロ

ポーランド石油大手オルレン、チェコに水素ステーション整備

この記事の要約

ポーランド国営石油大手のPKNオルレンは22日、年内にチェコで燃料電池自動車(FCV)向け水素ステーションの整備に着手すると発表した。プラハ近郊バランドフとドイツ国境に近い北部のリトヴィーノフのガソリンスタンドにまず設置 […]

ポーランド国営石油大手のPKNオルレンは22日、年内にチェコで燃料電池自動車(FCV)向け水素ステーションの整備に着手すると発表した。プラハ近郊バランドフとドイツ国境に近い北部のリトヴィーノフのガソリンスタンドにまず設置し、来年中に運用できるようにする。またブルノ、ピルゼン、プラハでも高速道路D10号線沿いに開設する計画だ。同社の水素ステーションは「グルパ・オルレン・スター」のブランド名で、すでにドイツの2都市で運営されている。

オルレンは2050年までに二酸化炭素(CO2)排出量をゼロにする目標を掲げる。この実現に向けた第1段階として、30年までに環境負荷の軽減に貢献するプロジェクトに250億ズロチ(55億880万ユーロ)超を投資する。未来の重要な交通燃料と目される水素燃料事業も新戦略の重要な柱の一つで、国内外でサービス網の構築に取り組む。

チェコの水素ステーションで販売する水素燃料は、オルレンのチェコ子会社ウニペトロルがリトヴィーノフと国内中部クラルピ・ナド・ヴルタヴォウに持つ石油精製所で生産する。中欧の代替燃料インフラ最大手のボネット・グループがステーションの建設を請け負う。ボネットはチェコの圧縮天然ガス(CNG)販売業界第2位で、同国のほかポーランドとスロバキアでも代替燃料販売網を運営している。

オルレンはポーランド南東部のヴウォツワヴェクに水素燃料プラント(毎時生産量は最大600キロ)を来年中に完成させる計画だ。西部プウォツクの石油精製所でも同様のプロジェクトを進めるほか、南部トシェビニャのバイオ燃料精製所では燃料電池用の水素純化プラントの建設プロジェクトを予定するなど水素事業を積極的に展開している。(1PLN=27.08JPY)