2020/10/14

総合・マクロ

ポーランドEC最大手アレグロ、ワルシャワ証取に上場

この記事の要約

ポーランド電子商取引(EC)最大手アレグロが12日、ワルシャワ証券取引所に上場した。初日の取引は公募価格(43ズロチ)を大きく上回る65ズロチでスタート。一時71ズロチまで価格が上昇した。初値を基にした時価総額は660億 […]

ポーランド電子商取引(EC)最大手アレグロが12日、ワルシャワ証券取引所に上場した。初日の取引は公募価格(43ズロチ)を大きく上回る65ズロチでスタート。一時71ズロチまで価格が上昇した。初値を基にした時価総額は660億ズロチ(174億米ドル)と、これまで1位だったゲーム開発企業CDプロジェクトを追い越した。同国企業の新規株式公開(IPO)としては過去最大規模で、今年欧州で実施されたIPOとしても規模の大きいものの1つとなった。

アレグロは1999年の設立。1,230万人のアクティブユーザー数を誇る。これまで国内中産層の成長を追い風に、国内事業に注力して売上を拡大してきたが、ここ数カ月は国外進出を視野に入れたサービスを導入し始めている。また、製品の選択肢の拡大、デリバリーサービスの改善、決済サービス「アレグロ・ペイ」の強化も計画する。今回のIPOでは、新型コロナの世界的流行でオンライン購入する消費者が急速に増え、EC企業への投資意欲が高まっているのもプラスとなった。

今回売り出されたのは、新規発行株2,325万株強と、ペルミラ、シンヴェン、ミッド・ヨーロッパ・パートナーズ(MEP)の投資会社3社および経営陣が保有していた1億9,029万株で、全体の約24%に当たる。アナリストの中には、IPOの成功を受けて投資会社3社が持ち株を追加売却する可能性を指摘する声もある。

アレグロのIPOは、上場企業に占める国営企業の割合が高く、ここ数年取引額が低迷してきたワルシャワ証取にとっても朗報となった。衣料品のアンスウェアやモバイルゲーム開発のヒュージ(Huuuge)、ペイTVプラットフォームのカナル・プラス・ポルスカなども年内にIPOを計画しており、取引活性化に向けて期待が膨らんでいる。(1PLN=27.70JPY)