中東地域の新興企業向けデータプラットフォームを運営するマグニットがこのほど発表した調査結果によると、トルコのスタートアップ企業に対する投資額は今年上半期に8,000万米ドルへ拡大した。これは前年通期の80%に当たる。一方で投資件数は51%減の29件へ半減した。投資家が、一定の成果をあげている企業に投資を絞ることで、リスクを避けている様子がうかがわれる。
資金調達額が大きかったのは、シリーズAラウンドの3社だ。食品・日用品配達のゲティシュ(GeTir)が3,800万ドル、チャットボット・ソリューションのソルン(SORʼUN)が950万ドル、ソフトウエアハウスのアキノン(Akinon)が570万ドルをそれぞれ獲得し、3社だけで全体の67%を占めた。トップ5社ではこの割合が84%強となる。中近東平均が49%であることを踏まえると、1件あたりの投資規模が大きいことがうかがわれる。
業界別の件数をみると、他の新興ベンチャー市場の多くと同様、電子商取引(Eコマース)が1位だった。以下、情報技術(IT)、不動産、ディープテック、配達・運輸と続いた。トルコの特徴としては、ディープテックが全体の10%を占める一方、フィンテックがトップ5入りしていないことが挙げられる。
投資家は54社・人で、エンジェル投資家がこのうち53%を占めた。投資額全体に占めるトルコの投資家の割合は60%だった。