英商用EVメーカーのアライバル、来年初めにもナスダック上場

ロシア人実業家デニス・スヴェルドロフ氏が英国で設立した電動車(EV)スタートアップのアライバルが、ナスダックに上場する計画を明らかにした。特別買収目的会社(SPAC)のCIIG合併会社と合併する形で来年初めに上場する。時価総額が54億米ドルに上るとの推算を基に6億6,000万ドルの調達を狙う。

アライバルは昨年2015年の設立。すでに韓国の現代自動車、起亜自動車、米国の物流大手UPS、資産運用最大手ブラックロック、ロシア富豪のヴラジミール・ポターニン氏から資金を調達している。一方、スヴェルドロフ氏が依然として株式の75%を握る。

アライバルは来年から公共交通機関向けバスや、トランスポーターを生産する計画だ。エンジン車と同じ価格で販売し、運転・維持費を半分に抑える。

スヴェルドロフ氏はロシアの移動体通信事業者ヨタの共同創業者。同社の社長を退いた後に、ロシアの通信副大臣を務めた。英国をアライバルの拠点に選んだのは、ロシアでEVが売れるようになるまでにはまだ時間がかかるとにらんでのことだ。

SPACは事業を持たない企業で、上場後に調達資金で買収した企業と合併する。これにより、事実上、買収された企業が上場したことになる。従来の新規株式公開(IPO)にかかる手間を避ける抜け道的な手法だ。

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