OMVペトロムがバイオ混合燃料の生産拡大、EU目標達成に向け

ルーマニアの石油ガス大手OMVペトロムがバイオ混合燃料の生産を拡大している。欧州連合(EU)が目指す、交通分野の排出削減のため燃料全体に占める再生可能エネルギー源の比率を2020年の10%から30年までに14%に引き上げるという目標に貢献するためだ。すでにペトロブラツィ精製所の年間ブレンディング能力を2年前の200キロトンから約350キロトンに大きく増強した。

国内南部にあるペトロブラツィ精製所は東欧最大規模の精製所のひとつで、石油精製能力は年間450万トン。ガソリン、ディーゼル、航空・船舶燃料などを生産し、バイオ混合燃料ではバイオ燃料含有率が8%のガソリンと、6.5%のディーゼル燃料を扱っている。2018年以降、バイオコンポーネントの輸送、積み下ろし、貯蔵などのインフラ刷新に2,100万ユーロを投資した。

OMVペトロムは2025年に向け、10年比で27%の排出削減を目指している。05年以降の精製事業投資額は約18億ユーロに上り、このうち3分の1が環境措置に投入され、昨年時点で22%の排出削減を達成した。

OMVペトロムはオーストリアのエネルギー大手OMV傘下(出資シェア51%超)で南東欧最大の垂直統合型エネルギー企業。昨年の生産高は石油換算で5,540万バレル、発電能力は860メガワット。小売り事業ではルーマニアや近隣諸国でガソリンスタンド798店舗を展開する。

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