アグリテック開発 ロシア

農薬を使わない屋内農業の自動化ソリューションを開発している。同社が提供するのは、空間を垂直的に利用する垂直農法の運営プラットフォームで、農作物栽培の特別な知識や技術は不要なのが特徴。運用に必要なソフトウエアはSaaS(ソフトウエアの遠隔利用サービス)で利用できるため、設備の導入だけで開始することができる。栽培面積が20~2万平方メートルまでのサイズに対応しており、食品流通企業や加工会社、ホームセンターなどのほか、研究機関や農場に提供している。昨年はシードラウンドとして100万米ドルの調達に成功。人工知能(AI)とドローンを使った栽培の自動化システムの高度化に振り向ける予定だ。

垂直農法は建物内の縦の空間を「農場」として利用し、太陽光の代わりにLED照明を用いる。農業とテクノロジーを組み合わせたアグリテックの成長分野で、農作物を「棚に置いて育てる」イメージだ。農地と農薬を必要としないことから、都市に住む消費者の間近で天候に左右されずに野菜などを栽培できるメリットがある。

同社ではコンピュータービジョン(画像認識)と機械学習(ML)技術を活用し、提携する農場から集めた膨大な農作物のデータをもとに作物の栽培管理を自動化している。垂直農法の利点である多層栽培のメリットを活かすため、小ぶりで成長が早く、灌漑が簡単な収益性の高い作物に焦点を当てているのが特徴だ。約120種類の農作物について自動化を完成させており、2025年までに500種類に増やす計画。月当たり新たに10品種が栽培可能な品目に加わっているという。

2017年にノボシビルスクで設立された。現在、研究開発拠点を同市に置き、営業拠点をフィンランドに構えている。今年からレストランやカフェ向けのミニファーム「iFarm Cropper」をポートフォリオに追加した。2年後の米国進出を目指している。

iFarm

※フィンランドオフィス:Karantie 2, 02630 Espoo, Finland

Tel: + 358 504 801 487  sales@ifarm.fi  https://ifarm.fi/

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