ブルガリアのベンチャーキャピタル(VC)LAUNCHubベンチャーズはこのほど、新たに設立した投資ファンドが4,400万ユーロの調達に成功したことを明らかにした。同社は新ファンドを通じ、今後4年間で25のテック系スタートアップ企業に投資する予定。ファンドの調達目標額は7,000万ユーロ、募集期間は今年6月までとしている。
新ファンドには欧州投資基金(EIF)やテック系企業、ブルガリアの起業家などが出資している。計画ではスタートアップの成長段階(ラウンド)ごとに50万ユーロから200万ユーロの投資を行い、特に次世代ウェブと呼ばれる「ウェブ3.0」やブロックチェーンといった分野に集中していく。同社は、新ファンドの資金の半分は今後のラウンドにおける資金ニーズに応えるため留保する予定。
2012年設立のLAUNCHubベンチャーズは主に中・南東欧のシード期やシリーズA段階にあるスタートアップ企業に投資を行っている。分野としては、企業向け(B2B)のSaaS(サービスとしてのソフトウエア)、フィンテック、不動産テック(Proptech)、ビッグデータ、人工知能(AI)、マーケットプレイス、デジタル健康医療がある。
同社のこれまでの投資先には、不動産業者向けのロボットカメラを開発する「ジラッフェ360(Giraffe360)」(ラトビア)、スポーツなどのライブストリーミングを行う「Fite」(ブルガリア)、組織の目標管理(OKR)を支援するソフトウエアを開発する「GTMHub」(ブルガリア)、フィンテック向けミドルウェア(OSとアプリ間を調整するソフト)を開発する「フィンテックOS」(ルーマニア)などがある。
LAUNCHubベンチャーズは中東欧地域に主に投資する「アーリーバード(Earlybird)」などのVCと競合する一方、比較的設立から間もない企業に投資を行ってきた。中東欧の企業に着目しているVCにはそのほか、チェコや中欧に着目する「クレドベンチャーズ(Credo Ventures)」、ドイツ、オーストリア及びスイスにも重点を置く「スピードインベスト」などがある。