ロシアの金融・テクノロジー大手で国営のズベル(旧ズベルバンク)がIT・電機販売大手のメルリオン・グループから電子商取引(EC)子会社シティリンク.ruなどを買収することを検討している。IT事業のエコシステムを構築するうえで不可欠なEC事業を獲得する狙いだ。IT大手ヤンデックスとの合弁、EC大手オゾンの買収の失敗を経て、ズベルがEC市場で地盤を築けるかに注目が集まる。
シティリンクは家電を始め、さまざまな商品の販売を手がけるEC大手。2019年の売上高は14億米ドルで、オゾンを抑えて、ワイルドベリーズに次ぐ業界2位の座を占めた。ロシア経済紙『コメルサント』によると、取引額のベースとなる評価額は10億ドル前後となる。
ズベルはほかに、ポジトロニカ.ru(19年売上高4,800万ドル、EC業界67位)とコンピューター・クリニック・ネットワーク(コンピューター修理事業)の取得を検討しているという。