ロシア政府が15日から新型コロナワクチン接種の対象者を全国民に広げたのに伴い、モスクワ市がショッピングモールなど人出の多い場所に接種会場を特設している。予約なしで気軽に注射を受けられるようにし、ワクチン接種率を高める狙いがある。
会場は観光客も訪れる赤の広場のグム百貨店やデポ・フードコートといった商業施設、「ヘリコン・オペラ」劇場などで、接種ワクチンは同国製の「スプートニクV」のみ。モスクワではインフルエンザの予防接種でも特設会場を設置している。
ガム百貨店の予防接種会場を取り仕切るナターリャ・クゼンコヴァ医師によると、予診を含めてかかる時間は1人当たり8~10分だ。初日に訪れた人は、「(自ら免疫を得ることで)83歳の母親の健康を守りたい」、「すでに病院で予約したが、一刻も早く注射してもらいたい」などと動機を語った。
ロシアは年内に人口1億4,400万人の60%にワクチンを接種することを目指している。ただ、多くの自治体にまだ十分な数のワクチンが行き渡っていない。国内開発のワクチン2種がすでに承認済みで、近く第3のワクチンも承認が見込まれている。