独インフィニオンの主導で、電子部品・システムの品質向上を図るプロジェクト「インテリジェント・リライアビリティ4.0(iRel40)」が動きだしている。欧州製品の競争力維持に向けて、部品レベルから高性能・長寿命の製品づくりに取り組む。東欧3カ国を含む13カ国から75社・機関が参加し、2023年4月までに結果を出す予定だ。欧州連合(EU)からも、マイクロ・ナノエレクトロニクス産業の産学官連携プロジェクト「ECSEL」を通じて支援を受けている。
インフィニオンのラインハルト・プロス社長は、未来の技術の開発において、その土台となるエレクトロモビリティ、自動運転、再生可能エネルギー、省エネ型ネットワークソリューションなどがしっかり機能することが肝要という見方を示す。ウエハーからチップ、ケース、システムに至るまでバリューチェーンのすべての段階において製品の高い信頼性を確保し、全体として不良率を引き下げる意向だ。これが最終的に国際競争における差別化につながると踏んでいる。
iRel40プロジェクトでは、信頼性向上に向けて生み出された手法や工程を、エネルギー、運輸、製造業などの分野で実際に用い、その実用性を検証する。
東欧からはスロバキアのナノデザイン(電子機器の研究開発)、ブラチスラバ工科大学(電子・光工学)、スロベニアのエラフ・プロパルジョン・テクノロジーズ(インホイールモーター)、ヨージェフ・ステファン研究所(コンピューターシステム)、トルコからはアルチェリク(家電)、エンフォーマ・ビリシム(IT)、マルマラ大学(コンピューター・エンジニアリング)、パヴォ・デザイン・プロダクション・エレクトロニック・トレード(IT)が参加している。