アリババ、ロシアの決済・金融サービスで合弁

中国の電子商取引(EC)最大手アリババグループ(阿里巴巴集団)の金融子会社アント・グループは12日、ロシアにおける決済・金融サービスの合弁提携で、現地のIT大手メール・ルなど4社・機関と契約を結んだ。各サービスごとに合弁会社を設立し、ECの利用者が支払う決済コストを引き下げる狙いだが、具体的な内容は明らかにされていない。

合弁に参加するのはアント、メール・ルのほか、移動通信大手メガフォン、ロシア直接投資基金(RDIF)、アリシェル・ウスマノフ氏の持ち株会社USMだ。2019年10月の合意から一歩進む形となる。ただ、第三者の承認を含め、様々な条件が付いており、手続きが完了するのは年末となるもようだ。

メール・ルは合弁で設立する決済サービス企業に、「マネー・メール・ル」と「VKペイ」の両決済システムを移管する。出資額は45億ルーブル(約6,100万米ドル)に上り、筆頭株主として40%の株式を握る。金融サービス企業には8億7,000万ルーブル(1,190万ドル)を出資し、5.95%の株式を得る。

USMは金融サービス会社に、保険会社ルネサンス、ラウンドバンク、決済サービスのインプラット(InPlat)の株式それぞれ100%と他の資産・現金を移譲する。アント、RDIF、メガフォンは現金や資産を両合弁会社に払い込む。最終的には、両社ともロシア資本が過半出資する形となる。

ラウンドバンクが参加することで、金融合弁会社が銀行サービスも提供する可能性が強い。また、USMがメール・ル及びメガフォンの大株主でもあることから、合弁事業に対する同社の影響力が強くなりそうだ。(1RUB=1.43JPY)

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