スイスの蓄電池メーカー、ルクランシェは10日、スロバキアの電力業界向けサービス企業エネルゴダタからエネルギー管理システム(EMS)とバッテリー蓄電システム(BESS)を受注したと発表した。エネルゴダタが運営する火力発電所の出力調整システムに用いるもので、2021年10~12月期に設置される。再生可能電力発電の拡大に向けた欧州連合(EU)の新規準に合わせ、発電所の出力上昇を迅速化するのに役立つ。取引額は明らかにされていない。
出力調整システムが設置されるのは、スロバキア西部レヴィツェにあるヴォリア天然ガス火力発電所だ。来年から二次制御予備力(自動周波数回復予備力:aFRR)の要件が改定され、現行の15分以内から7分半以内に発電出力を最大にできるようにしなければならなくなることから、今回の受注につながった。
エネルゴダタは国内エンジニアリング企業テスラ・ブループラネットと組んで、ヴォリア発電所に出力調整システムを納入する。ルクランシェのBESSは容量が2.9メガワット時、出力は5メガワット時。