ロシア銃器製造最大手のカラシニコフは、年内にインドで自動小銃「AK-203」のライセンス製造を開始する計画だ。タラソフ最高経営責任者(CEO)がこのほどロイター通信に明らかにした。インド国営造兵工廠との合弁会社インド・ロシア・ライフルズ(Indo-Russia Rifles)を通じて、向こう10年間で67万丁の製造を見込む。
カラシニコフはロシアの小銃製造シェアの95%を占め、世界27カ国に製品を輸出している。2014年のクリミア併合による欧米の対ロシア経済制裁による影響が続く中、新事業や市場拡大により年率60%の増収ペースを確保し、25年までに売上高500億ルーブル(6億7,533万ドル)の突破を目指している。アルメニアでは昨年、連続速射砲「AK-130」のライセンス製造を開始した。友好関係にあるベネズエラを始め、需要の大きい中南米市場での提携強化にも注力する考えだ。
カラシニコフの筆頭株主は国営ロステックで、出資シェア51%を保有する。元交通相のルシュニコフ氏との新合弁事業「ウルティマ(Ultima)」(ロステック出資シェア25%プラス1株)を通して提供するコンピューター搭載ショットガン「MP-155ウルティマ」は、Wi-Fiなどでのワイアレス接続やスマートフォンとの同期が可能で、ガジェット好きな若者を中心に顧客拡大を狙っている。(1RUB=1.43JPY)