セルビアがヤダル鉱山からのリチウム輸出を禁止する方針を明らかにした。国内でリチウムを原料とする中間品・完成品を生産し、付加価値を高めた形で国外に供給する狙い。鉱山開発が本格化する前に姿勢を明確にすることで、バッテリー、電気自動車(EV)などの製品の生産態勢を整えたい考えだ。
ヤダルのリチウム鉱床は、英豪系資源大手リオ・ティントが2004年、西部ロズニツァの近郊で発見した。同社はホウ酸リチウムの採鉱・加工に4億5,000万米ドルを投じる計画だ。セルビア政府はリチウム関連プロジェクト全体で15億ユーロ(18億ドル)の民間投資招致を目指す。
ヤダルの鉱床は世界のリチウム埋蔵量の推定10%を占める。バッテリーに使える品質の炭酸リチウムを年間5万5,000トン、ホウ酸を16万トン、硫酸ナトリウムを25万5,000トン生産できるとみられ
ている。