チェコのオンライン食品小売業ロホリーク(Rohlik)・グループは2日、仏ファンドのパルテックなどから1億9,000万ユーロを調達した。確保した資金は海外進出を含めた事業拡大や新技術への投資、サービス向上などに充てる。ロホリークは1月に社債発行で17億コルナ(約6,500万ユーロ)を調達したばかり。
仏パルテックのほか、英米系ファンドのインデックス・ベンチャーズ、仏カドリール・キャピタル、欧州復興開発銀行(EBRD)、スロバキアの投資銀行J&Tバンカ、チェコの資産運営会社R2G、ロホリークを最初から支援してきたベンチャーキャピタルのエンレン(Enren)などが今回の増資を引き受けた。うちパルテックはロホリークの株式8.3%を握った。
ロホリークは2014年に創業。独自開発のアルゴリズムを強みに◇注文から2時間で配達◇配達時間を15分刻みで指定――を実現し、オンライン食品店として国内トップの座を築いた。これまでにハンガリーとオーストリアへ進出済みで、商品取り扱い数1万7,000品目、顧客数は75万人を数える。今後数カ月以内にドイツでも営業開始する計画だ。ポーランド、ルーマニアへの進出も視野に入れている。
昨年は新型コロナによるロックダウンで配達サービスの利用が進み、売上高は前年比101%増の3億ユーロに上った。
チュプル最高経営責任者(CEO)は自社の特長について、欧州都市住民の購入スタイルに合わせた品揃えを挙げる。買い物をスーパーだけで済ませる人は少なく、食肉店、魚屋、青果店など専門店を回って欲しいものをすべてそろえるのが一般的だ。このため、ロホリークでは専門店でしか手に入らない商品も提供し、1回注文すれば「食料品店を3~5軒回る手間が省ける」ようにしたという。(1CZK=4.93JPY)