クロアチアの電気自動車(EV)スーパーカーメーカーのリマックが、独フォルクスワーゲン(VW)の高級スポーツ車子会社ポルシェと、高級車ブランドのブガッティを合弁事業化する方向で協議している。VWのヘルベルト・ディース社長が16日、同社のウェブサイトで行われたメディア会議で明らかにした。ポルシェは3月初め、7,000万ユーロを投じてリマックへの出資比率を従来の15.5%から24%に引き上げていた。
ディース氏によると、まずポルシェにブガッティの経営を移管し、その後に少数出資の形でリマックと合弁化する。ディース氏は「(ブガッティにとって)高性能バッテリーや炭素繊維の車体などで多くのシナジー効果が得られるだろう」と述べ、合弁化によりボリュームゾーンを狙えるようになるとの見方を示した。
ブガッティをめぐっては昨年9月、リマックが同ブランドを買収するとの観測が浮上した経緯がある。ディース氏は今回、ポルシェ、リマック、ブガッティの3社による協議は継続中だと述べ、同観測を否定した。
リマックは2009年の創業。電動スーパーカーのほか、高電圧バッテリー、駆動システム、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)などを手がける。ポルシェは2018年に同社の株式10%を取得。19年に5.5%を追加取得した。同社の主要株主には創業者のマテ・リマック社長、ポルシェのほか、中国バッテリー大手の駱駝集団、韓国の現代自動車と起亜自動車が含まれる。