ロシアのタタルスタン共和国を本拠とする石油化学大手タトネフチとカザフスタンのアルール・グループ(Allur Group)が4日、カザフスタンに設置する合弁タイヤ工場の建設に着手した。タタルスタンとの経済協力を強化すると同時に、自国の輸出力拡大を狙うカザフ政府の方針に沿うもので、来年末の完工を目指す。投資額は約1,250億テンゲ(2億9,200万米ドル強)に上る。
工場の立地は首都ヌルスルタンの南東およそ200キロメートルに位置するカラガンダ州サラン。運営は合弁会社カマタイヤが担当する。稼働当初は年350万本生産し、その後、段階的に900万本まで増やすことを視野に入れている。製品の4割を国外に供給する予定だ。2025年までに1,100人を超える雇用創出効果が見込まれる。
タトネフチは昨年12月、カザフ政府およびアルールグループ、カザフタイヤと協定を締結した。乗用車・軽トラック用タイヤ300万本、トラック用タイヤ50万本の生産能力を整備するに伴い、カザフ政府から助成・税制優遇措置の適用やタイヤ市場の保護、タトネフチの国外投資家としての権利・利益の保護などの約束を取り付けた。タトネフチとアルールの投資額は4,790万ドルと、全体の16.9%にとどまる見通しだ。協定の有効期間は20年。(1KZT=0.25JPY)