セルビアの新興半導体企業アナリAI(Anari AI)は13日、独アーリーバードなどからシード投資として200万米ドルを調達したと発表した。同社はクラウドベースの仮想AI(人工知能)半導体を手がける。従来の実体を持つ半導体に比べ、立ち上げまでの時間やコストが大幅に削減できるのが特徴という。
アナリによると、仮想AI半導体は専用の仮想化ソフトを使いクラウド上に構築したAI半導体で、設計・実現にかかる時間は数週間に過ぎない。ハードウエアとして実行する場合、通常12~18カ月かかることを考えると大幅な短縮だ。コストも小さくて済む。また、プログラミングで個々のニーズに対応できるため、汎用チップにありがちな制約がない。結果として、同社初の仮想AI半導体「ソールX(Thor X)」では、点群データの処理効率がハイエンドGPU(画像処理半導体)の100倍に上る高性能を確保したという。
今回の資金調達はアーリーバードのほか、米アセキア・キャピタル、セルビアの投資家などが引き受けた。