トルコの女性CEO、ユニコーンを目指す

男性優位のイメージがあるトルコで、女性起業家エセン・テュメル氏の企業が注目を集めている。人工知能(AI)とバイオ科学を組み合わせたソリューションを提供するが、新型コロナの世界的流行を背景に、抗菌・抗ウイルス繊維と、センサー搭載のウェラブル端末が特に世の関心を引いている。女性の最高経営責任者(CEO)が率いるトルコ初のテクノロジー・ユニコーン企業(価値10億米ドル超の企業)になるとの期待も高まる。

テュメル氏は、トルコで最も成功している女性CEOの一人だ。米ハーバード大学でAI・神経科学を学び、コロンビア大学で「モノのインターネット(IoT)」の研修を受けた後、医療・保健産業の世界的大手数社で25年間働いた。AIが保健業界で中心的な役割を果たすようになると考え、AIとバイオ科学を組み合わせたソリューションを提供するエッセンシャル・エヴォリューション(Essential Evolutions)とインフィニテック(Infinitech)の2社を設立した。その直後に新型コロナの世界的流行が始まった。

テュメル氏は、AIが医療・保健業界を構成する保健、臨床試験、新薬開発、保険といった分野を統合する役割を負うようになるとみる。新型コロナ関連で注目される抗菌・抗ウイルス繊維やウェラブル端末についてはトルコで生産し、国内外に供給できる態勢を整えているという。

まずは、新型コロナが猛威を振るう米国、欧州と、同社製品への関心が高い中東・極東に事業の重点を置く。2023年末までに両社の売上高が合わせて7,000万ドルに達すると見込む。

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