スロバキア財相、税制改革案を発表

スロバキアのイゴル・マトヴィッチ財相(オラノ党)は5日、税制改革案を発表した。複雑化した租税法を簡易化する狙い。連立与党間で交渉のうえ、近く法案の形で公表する。来年からの発効を目指す。改革による税収減は25億ユーロに上る見通し。

財相によると、改革は3つの柱から成る。1つ目は、子ども手当(満18歳まで)を現行の1人当たり25ユーロ(月額)から200ユーロに引き上げる代わりに扶養控除を廃止する。

2つ目は、所得税は被用者のみが、社会・健康保険料は被用者と雇用者が共同で負担している現状を改める。財相は「一つの税金、一つの賦課(保険料)」に簡易化すると話したが、詳細は明らかにしていない。消息筋の情報として現地紙が報じたところによると、所得税も保険料も被用者のみが負担する方向という。所得税は賃金の20%、保険料はスーパーグロス賃金(賃金+社会保険料の雇用者負担額)の25%で固定するもようだ。

第3の柱は、所得の形態を問わない徴税形式の導入。財相は特に被用者と自営業者の課税の差を問題視している。

なお、付加価値税(VAT)は現行の20%で据え置く。連立パートナーが反対していることが背景にあるようだ。

スロバキアは2004年に一律税率を導入し、これが経済成長を支える主な要因の一つとなったと考えられている。ただ、その後の改正や例外規定の追加で納税者に不公平感が広まったとマトヴィッチ財相はみている。

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