EBRDとEUおよび日本、キルギスの水供給事業を支援

欧州復興開発銀行(EBRD)は4日、キルギス共和国の水道インフラの改善事業に対し欧州連合(EU)並びに日本と協力して支援を行うことを明らかにした。同事業はキルギス南部のノーカトの飲料水や衛生状態の改善を図るもので、総投資額は480万ユーロ。内訳はEBRDが220万ユーロの借款(返済期間15年)を行い、EUと日本のそれぞれ200万ユーロと60万ユーロを贈与する。

ノーカトでは水道が老朽化しており、今回の資金を水道管の交換や水道メーターと消火栓の設置、システムの維持に必要な設備投資などに振り向ける。また水道水の浄化設備や効率の良い汲み上げ施設も設置する。日本政府は、施設の管理業務などの運営手法の改善や技術水準の向上を支援する予定。

ノーカトは今回の支援により、水道利用者数を現在の1万人から2万6,000人に増やせることから水道公社の財政状況が改善するほか、衛生状態を長期にわたり向上させられるとしている。ほかにも年間165万立方メートルの飲料水及び9万3,000キロワット時の電力の節約につながると期待される。

EBRDはキルギスでこれまでに民間事業を中心とする191の案件に対し7億9,500万ユーロを投資してきた。上下水道整備では24の事業に対し1億8,700万ユーロを投じており、うち借款は7,200万ユーロ、贈与は1億1,500万ユーロとなっている。

EUは同国に対し2014年からの6年間で計1億7,400万ユーロを投じて教育事業や農村開発、法律運用の改善事業に取り組んできた。贈与額は水道事業を中心に9,050万ユーロに上る。

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