●デリモビルの株式15%を7,500万ドルで取得
●同社は昨年、モスクワで競合ヤンデックスから首位の座を奪う
ロシア2位銀行の国営VTBはこのほど、カーシェアリングサービスを提供する同国のデリモビル(Delimobil )に出資すると発表した。傘下の投資ファンドであるVTBキャピタルが株式15%を7,500万ドルで取得する。デリモビルは確保した資金で事業拡大を進める。
2015年にサービスを開始したデリモビルは、ロシアのほかチェコ、カザフスタン、ベラルーシに進出し、デリモビル、エニタイム(Anytime)、エニタイム・プライム(Anytime Prime)の3ブランドを展開している。市場調査会社のスパルクによると、ロシアにおける同社の昨年の売上高は53億ルーブル、最終損益は24億ルーブルの赤字だった。
モスクワのカーシェア市場ではこれまで競合のヤンデックス・ドライブがトップだったが、昨年はデリモビルが総走行回数で同社を上回り、10%のシェアを確保して首位に立った。ヤンデックス・ドライブの後退について専門家は、カーシェアリング向け車両の不足と、他社より割高の利用料金などを理由として挙げている。
大手銀行バンクオブアメリカによると、今年6月時点でのデリモビルのモスクワにおけるシェアは41.5%。その他にはベルカカー(Belkacar)や、IT大手メール・ル・グループ傘下のシティドライブなどがある。
VTBグループは2019年からデリモビルと提携しており、車両拡充のための資金を提供してきた。(1RUB=1.53JPY)