●移民受け入れを拒む姿勢明確に
●移民は「生まれた場所で幸福を追求すべき」=オルバン首相
ポーランド、ハンガリー、チェコ及びスロバキアからなるヴィシェグラード4カ国(V4)の首脳会談が今月初めに開催され、出席したハンガリーのオルバン首相は欧州連合(EU)が導入を予定している移民の割り当て案をV4は支持しないと述べた。チェコのバビシュ首相によると、会合ではシェンゲン協定や西バルカン諸国との関係など移民に関連した戦略について詳細な議論が行われた模様だ。
4カ国はかねてよりEUに対し、一貫して域内各国に移民の割り当てを強制する仕組みを廃止するよう求めてきた。特にハンガリーは強硬な姿勢で知られ、以前に同国で保護を求めた人々への扱いをめぐり、EUの欧州国境沿岸警備機関(Frontex)が同国での活動を停止したことがある。この措置について欧州裁判所(ECJ)は昨年12月、ハンガリーが難民認定を求める人々の入国をEUの法令に反して制限していると判決している。
オルバン首相は6月初め、今後2年間にわたり移民の流入を完全に停止する措置を導入する意向を示した。同首相は、移民はそもそも悪いものであり、「神の意志に従い生まれた場所で幸福を追求すべき」だと述べた。
V4以外の国も移民受け入れには慎重だ。最近になりスロベニアとイタリアは、バルカン諸国を経由して西欧に流入する移民を阻止するため共同で行う取り締まりを8月から再開することで合意した。
2018年の移民割当てでは、チェコはイタリアとギリシア経由の約2,700人を割り当てられたが、実際の受け入れは12人にとどまった。約900人が予定されていたスロバキアは16人を受け入れている。一方1,300人のハンガリー、7,000人のポーランドは受け入れを拒否した。