欧州復興開発銀、ウクライナの送ガス会社と低カーボン水素で提携

●国内初の水素供給網を構築して利用を促進

●全産業が化石燃料に依存するウクライナの現状変革へ

欧州復興開発銀行(EBRD)は23日、ウクライナの送ガス会社・ガス輸送システム(GTSOU)と、同国における水素技術開発および利用普及に向けて提携すると発表した。温暖化ガスの排出を抑えた低カーボン水素の生産体制を整えるとともに、国内初の水素供給網を構築して利用を促進する。

EBRDとGTSOUは昨年4月、再生可能エネルギーへの投資環境改善と、漏出メタンなど温暖化ガスの排出縮小に向けた枠組みで合意し、趣意書を交わした。今回の提携はこれに続くもので、全産業が化石燃料に依存するウクライナの現状を持続可能経済に向けて変革する具体策を探っていくことになる。

EBRDによると、同行が投資の対象としている東欧・中央アジアなどの地域では、再生エネ産業が力強く成長。再生エネ価格が化石燃料由来の電力と競争できるほど下がった国も出ているという。ウクライナでは脱炭素化に向けた代替燃料として水素が大きく貢献する可能性があるとみている。

欧州連合(EU)の環境政策でもグリーン水素(再生エネを利用した電解反応によって得る水素)は柱の一つと位置づけられ、4年以内に最大100万トンの年産能力を整備する計画が発表されている。

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