2021/8/4

総合・マクロ

西バルカン3カ国が市場統合で合意、EUとの格差を縮める狙い

この記事の要約

●貿易・物流の増加、金融市場規制の枠組み共通化に取り組む●北マケドニア、セルビア、アルバニアのEU加盟は遅れている北マケドニアのペンダロフスキ大統領は7月29日、首都スコピエで開催された経済フォーラムへの出席を目的に同国 […]

●貿易・物流の増加、金融市場規制の枠組み共通化に取り組む

●北マケドニア、セルビア、アルバニアのEU加盟は遅れている

北マケドニアのペンダロフスキ大統領は7月29日、首都スコピエで開催された経済フォーラムへの出席を目的に同国を訪問したアルバニアのラマ首相、セルビアのヴチッチ大統領と会談し、2023年から3国間の国境を超えた人・モノ・サービスの移動を自由化する内容で基本合意書を取り交わした。西バルカン諸国の欧州連合(EU)加盟手続きが遅れていることに対応するもので、市場統合を通じて経済を活性化させ、EUとの格差を縮める狙いだ。

3カ国は、関税当局など行政機関の提携を通じ、貿易・物流の増加を促すとともに、資本移動の自由の原則に基づき金融市場規制の枠組み共通化に取り組む。

3カ国は2019年に「小シェンゲン」の名のもとで西バルカン諸国の市場統合イニシアチブを立ち上げた。今回の合意を機に、イニシアチブ名を「オープン・バルカン」に変更したが、これまでのところ、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボは参加の呼びかけに応じていない。旧ユーゴ連邦に似た構造の再生と、その中で規模の大きいセルビアが地域を支配するようになるとの懸念が障害になっているもようだ。

EUは昨年3月の首脳会議で、北マケドニアおよびアルバニアとの加盟交渉開始を決定。当初は12月の外相会議で交渉の枠組みが承認されるとみられていた。しかし、ブルガリアが歴史的論争の未解決を理由に北マケドニアとの交渉開始に反対。アルバニアについてもいくつかの加盟国が司法制度の重要な改革が残されているとして反対に回ったため、両国の加盟手続きは足踏み状態を強いられている。

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