●プールの入場者監視システムとして運用
●画像の保存を行わず、情報を匿名化してデータの安全性を確保
チェコの人工知能(AI)システム開発会社、イテレイト(Iterait)が人の動きを匿名化して監視するシステム「ヴィヴィディ(Vividi)」をドイツで実証試験している。現地インフィニットデバイシーズ(Intinite Devices)と共同開発したシステムで、チェコ科学アカデミーとドイツ商工会議所の協力を得て実施している。
「ヴィヴィディ」は現在、プール水槽内の人の監視システムとして運用されている。特殊カメラで人の動きや間隔のデータを採取し、AIoT(AIとモノのインターネット)プラットフォームを使って水槽内の混み合いの調整や水質管理に役立てる。同種のシステムとしては欧州でも最小サイズで、ドイツ北部2都市のプールで試験が行われている。同国では新型コロナ感染抑制策として、公共施設やイベントなど大勢の人が集まる場所の入場者数を厳しく規制しているため、開発元ではニーズはあるとみている。
「ヴィヴィディ」は、カメラは分析用の統計データを採取するだけで、画像の保存やクラウドへのアップロードを行わない。従って情報を匿名化でき、データの安全性を最大限に確保できる。欧州連合(EU)一般データ保護規則(GDPR)に準拠している。