特定のグループ(=コミュニティ)で交わされるやり取りをデータ化し、企業に有益な情報として役立てるコミュニティ・データインテリジェンス・プラットフォームを開発運営している。企業が顧客や利害関係者からなるコミュニティ内で起きていることを正確に理解し、成長の原動力とできるようサポートする。今年設立されたばかりだが、このほど実施したシードラウンドでは300万ドルの調達に成功した。
ある調査によると、企業の86%はコミュニティの重要性を認識しているものの、45%は自社にとってのコミュニティの価値を定量的に把握することに苦労している。AhoyConnectのソリューションは、同社のシステムを企業が自社で利用しているチャットツール(スラック、ツイッターなど)やソフト開発プラットフォーム(ギットハブなど)に統合し、それらのコミュニティ内での動きをすくい上げて分析するというもの。チャット内容やメッセージのやり取り、具体的なアクションなどを収集してデータ化し、企業内部のデータソースに集積させ、それをもとに概要の一覧表示(ダッシュボード)を生成する。これを見ることで企業はコミュニティで何が起きているかを追跡・把握できるほか、プラットフォーム上でのデータ分析を通じて実用的で正確な知見を得ることが可能になる。
具体的には、企業が販促計画の立案や、新規顧客の獲得に向けた施策、コミュニティ内の影響力のある人物の特定などを行いやすくなるメリットがある。
創設者兼最高経営責任者(CEO)のトマシュ・ヤソフスキー氏は、「企業の成長エンジンは従来、製品主導だったが、昨今はコミュニティ主導に変わってきている。ただし、企業組織はコミュニティ内で起きていることや、それが事業にもたらす影響や価値について理解できていない」と指摘。「当社のプラットフォームは、コミュニティデータの価値を最大化し、可視化して実用的な洞察を提供することで顧客獲得のプロセスを改善し、組織の意思決定に必要な情報を提供する」と述べる。
同社のサービスは現在、外部からのアクセスを制限したクローズドプラットフォームとして運営されているが、将来的には「サービスとしてのソフトウエア」(SaaS)としての展開を想定する。メインのオフィスはプラハにあるが、11人いるスタッフは欧州各地や米国からリモートで業務に参加している。
AhoyConnect
Prague, Czech Republik
support@ahoyconnect.com. https://www.ahoyconnect.com/