スロバキアのヴォルティア、ステランティスと提携

●需要の高い大型電動バンのラインナップを拡充する狙い

●当初は国内で製造し、売れ行きをみて英独仏で合弁生産を計画

スロバキアの自動車エンジニアリング企業ヴォルティア(Voltia)・エレクトリックが欧州自動車大手ステランティスと提携する。需要の高い大型電動バンのラインナップを拡充する狙いだ。ステランティスのプラットフォーム「eK0」を用いたプジョー、シトロエン、オペル、ボクスホール、トヨタの各ブランド車を改造する形で、同社として過去最大の11立方メートルの荷室容量を実現する。荷室は人が立って作業できる高さを確保する。

ヴォルティアの22日の発表によると、容量1立方メートル当たりの価格は3,500ユーロで、月々の稼働コストはディーゼル車と同じか、下回るという。最大積載量は800~1,000キログラム。航続距離は50キロワット時(kWh)車で200キロメートル、75kWhで280キロメートルとなる。

まずはスロバキアのニトラ、トルナバ両工場で製造し、売れ行きが好調であれば来年、英国、フランス、ドイツで合弁生産する計画だ。容量6、8、10立方メートルの従来モデルを補完する製品と位置付けられている。

ヴォルティアはステランティスと提携する理由として、◇市内配達向けとして、容量8~12立方メートルモデルの需要が大きい◇日産がヴォルティアと提携して発売した容量8立方メートルの「NV200XL」の生産が今後、段階的に縮小される◇「EMP2」プラットフォームを用いたプジョー「eエキスパート」、シトロエン「eジャンピー」、オペル/ボクスホール「ヴィヴァーロe」が、今年の「インターナショナル・バン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた◇ステランティスとトヨタの小型商用車(LCV)市場シェアが合わせて50%弱なのに対し、日産はその40分の1でしかない――を挙げている。

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