ロシアで新型コロナが再拡大、モスクワはロックダウンを実施

●7日までの一斉休業措置を全国レベルで実施

●ワクチンの2回接種完了者は総人口の32%

ロシアで新型コロナウイルスの感染が再拡大している。10月28日には1日当たりの新規感染者数が初めて4万人を超えたほか、死者数も過去最高の1,159人を記録した。プーチン大統領は同日、有給の一斉休業措置(「非労働日」)を30日から来月7日まで全国で実施すると発表。これに先立ち28日にはモスクワが昨年6月以来のロックダウン(都市封鎖)に踏み切った。

プーチン大統領によると、非労働日の期間中は公共サービス従事者のみが有給の対象となる。一部地域ではアルコールの販売が禁止される。モスクワでは食料品店や薬局など生活必需品を扱う店舗を除き営業を禁止し、レストランは持ち帰り販売のみ認める。幼稚園と学校も休みとする。

■進まぬワクチン接種が再拡大の背景に

ロシアでは自国開発の「スプートニクV」を含む4種類のコロナワクチンが認可されているが、効果への疑念やワクチンそのものへの忌避感から国民の多くが接種を避けている。公式データによると、接種完了者は総人口(約1億4,700万人)の32%にとどまる。接種率が最も高いのはモスクワ圏で、最も低いのは北コーカサスのダゲスタン共和国となっている。

ペスコフ大統領報道官は、強制的なワクチン接種を行う予定は今のところないと述べている。日刊紙『コメルサント』によると、政府は主に農村地域を対象にワクチンの啓蒙キャンペーンを実施する計画だ。

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