米ニュースケール、ルーマニアに小型モジュール炉設置を計画

●6基のSMRを設置、実現すれば欧州で初の事例

●同社のSMRは米原子力規制委員会により承認済み

米国政府は2日、原子炉開発企業のニュースケール・パワー(NuScale Power)がルーマニアで小型モジュール炉(SMR)の設置を計画していることを明らかにした。設置数は6基で、実現すれば欧州にSMRが導入される初の事例となる。ルーマニアの国営電力会社ニュークリア・エレクトリツァは2019年にニュースケール・パワーとの間でSMRの設置を検討する基本合意に達していた。

ニュースケール・パワーはオレゴン州ティガードに本拠を置く。米国の原子力規制委員会(NRC)は昨年9月、同社のSMRが同委員会の安全・規制要件をすべて満たすものだとして設計承認を発給した。同社のSMRはモジュール統合型の加圧水型原子炉(PWR)で、工場での生産が可能。需要に応じて4基、6基又は12基のモジュールを連結することができる。

今年2月にはブルガリアのコズロドゥイ原発へのSMR導入に関して同原発の関係企業と基本合意している。

ニュークリア・エレクトリツァはルーマニア南東部にある同国唯一の原子力発電所、チェルナボーダ原発を運営する。同原発は出力700メガワットのカナダ型重水炉(CANDU炉)を2基備え、国内の消費電力の約5分の1を生産する。同原発の発電量は同国のカーボンニュートラル(炭素中立)なエネルギーの3分の1に相当する。

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