●複合企業ジナルの米子会社の株式60%を4.5億ドルで取得
●世界最大級の工場を新設し、生産能力を4倍に引き上げ
トルコのガラス大手シシェジャム(Sisecam)は20日、複合企業ジナル・グループと共同で運営する米国ソーダ灰生産事業を強化すると発表した。ジナルの米国ソーダ子会社、ジナル・リソーシズ・コーポレーションの株式60%を4億5,000万米ドル(経費込)で買収する。これにより、間接的にジナルの天然ソーダ灰工場(ワイオミング州)の過半数株を取得する。
シシェジャムは同工場に世界最大級の大型生産施設を新設し、全体の生産能力を現行の250万トンから1,000万トン規模へ引き上げる計画だ。これにより、同社は生産能力で米国トップに躍り出るという。
今回の投資は、ソーダ灰の需要が大きく伸びるという予測に立った判断だ。ワイオミングのソーダ灰工場は天然に算出するトロナ鉱石を溶解・精製した天然灰を出荷している。天然灰は人工的な化学合成によって得られる合成灰よりも生産時の環境負荷が小さいため、シシェジャムでは「持続可能的(サステイナブル)な事業の確立を目指すグループの戦略にも合致する」と説明している。