化学大手の独エボニク、スロバキアで生物由来の界面活性剤を大量生産

●非石油系製品の需要拡大を受けたもの

●既存工場内でラムノ脂質を生産する予定

独化学大手エボニクは14日、スロバキアで生物由来の界面活性剤工場を整備すると発表した。環境への配慮から非石油系製品の需要が拡大していることに対応するもので、2年後に生産を開始する予定だ。投資規模については「億単位」とするだけで、生産規模を含めて詳細は明らかにしていない。

立地は既存のスロベンスカー・ルプチャ工場内で、糖類の発酵で得られるラムノ脂質を生産する。環境意識の高まりを受けて、石油やパーム油などを原料とする従来の界面活性剤から、生物由来かつ生分解性100%の新製品に需要が移るという予測に基づく判断だ。2019年以来のユニリーバとの戦略提携も強化することになる。

ラムノ脂質は一般の界面活性剤と同様に、ボディケア、洗濯、掃除など洗剤全般に使うことができる。エボニクによると、ラムノ脂質の大量生産は今回のプロジェクトが世界で初めてとなる。

ユニリーバは2030年までにすべての洗剤で化石燃料由来の原料を排除する方針を掲げており、エボニクとの提携もこの戦略に基づく。

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