●リコマースは昨年夏、ルーマニア同業を買収し同国に進出
●目標は「東欧最大の整備済み中古スマホ販売会社」
整備済み中古スマホの販売を手がける仏リコマース(Recommerce)が、同じフランスの流通大手カルフールとルーマニアで提携する。アップルとサムスンの全6モデルをカルフールのオンラインショップおよび実店舗で販売する内容だ。環境意識の高まる中、新品より安く、環境負荷が小さい特長をアピールし、東欧事業の拡大を狙う。
リコマースは欧州20カ国で事業を展開する。「リサイクル(再生利用)」よりも環境負荷の小さい「リユース(再利用)」の機会を顧客に提供し、電子廃棄物の削減に貢献できると自社の事業モデルを説明する。顧客にとっては新品より2~5割安く、きちんと使えるスマホが買えるのが利点だ。
今回の提携ではまず、カルフールのオンラインショップのほか、ブカレスト、コンスタンツァ、ヤシなど6都市7店舗を通じて販売する。3月末までに取扱店舗が全国に広がる予定だ。
リコマースは昨年夏にルーマニア同業のフェニックスを買収して同国市場に参入した。フェニックスが掲げていた「東欧最大の整備済み中古スマホ販売会社」となる目標をそのままグループの目標として採用した。
ルーマニアではアップル、ソニー、LG、ノキアなど20モデル以上を販売する。同社によると、部品はすべて純正品という。
世界の電子廃棄物は年間5,000トンに上ると言われる。スマホは毎年15億台が売られており、同じ規模の古いスマホが廃棄されているとみてよい。
一方、部品不足や低価格品を求める消費者のニーズから、豪州やインドで中古スマホ・PCの販売が急増している。整備済み中古品の市場は2016年の170億米ドルから20年には500億ドルに拡大。24年には650億ドルに延びると予測されている。