●獲得資金は独工場のキャパシタ製品の生産拡大に振り向ける
●これまでの調達額は2億ユーロを超える
ウルトラキャパシタ(電気二重層キャパシタ)の開発製造を手掛けるエストニアのスケルトン・テクノロジーズは1月28日、シリーズDの追加ラウンド(D3)で事業資金3,760万ユーロを獲得したと発表した。これにより、ラウンドD全体で調達した資金は1億800万ユーロに上り、これまでの調達額は2億ユーロを超えた。資金は独東部ザクセン州にあるグロースレールスドルフ工場におけるキャパシタ製品の生産拡大に振り向ける。
スケルトンはウルトラキャパシタの欧州最大手メーカーで、独自開発の湾曲グラフェンを組み込んだ様々な製品を提供する。わずか数秒でフル充電ができ、100万回の充放電サイクルに耐えられることから、自動車をはじめエネルギーグリッド、産業用アプリケーションなどの分野で採用が拡大しているという。
今回のラウンドでは、蘭アディエン・アルミニをはじめ優良なテクノロジー企業を創設した欧州の主要起業家が増資に応じた。スケルトンのターヴィ・マディベルク最高経営責任者(CEO)は、「バッテリーやエネルギーストレージ市場は現在、アジア企業の寡占状態にある。排出ゼロを目指す競争でカギとなる技術を欧州が主導したいのならば、向上と前進が不可欠だ。今あるテクノロジーだけでなく、今後数十年に渡り必要となる画期的なイノベーションにも投資する必要がある」と述べた。