2022/2/2

テクノロジー

イスラエルのストアドット、EV向け超高速充電電池の寿命を延長

この記事の要約

●EVの寿命を超える耐用性を実現し、2次利用への道を開く●バッテリー容量は1,000回の充放電後に当初の80%を維持電動車(EV)向け超高速充電(XFC)バッテリーを開発するイスラエルのストアドット(StoreDot)は […]

●EVの寿命を超える耐用性を実現し、2次利用への道を開く

●バッテリー容量は1,000回の充放電後に当初の80%を維持

電動車(EV)向け超高速充電(XFC)バッテリーを開発するイスラエルのストアドット(StoreDot)は1月27日、電池寿命の延長に成功したと発表した。EVの寿命を超える耐用性を実現し、定置用蓄電池など2次利用の可能性が開けるという。

ストアドットはシリコンベースの新しい電池を開発し、フル充電にかかる時間を5分まで短縮した。一方、昨秋には性能の落ちたセルを自己修復する技術で特許を取得。急速充電が招く電池の劣化を阻むことに成功した。これらの技術を組み合わせることで寿命を伸ばした。

同社によると、バッテリー容量は1,000回の充放電後に当初の80%、1,700回でも70%を維持。競合するリチウムイオン電池急速充電技術では1,000回を超えると性能が急速低下するなか、安定性が際立つ。耐用年数がEVの寿命より長く、定置用蓄電池、電力需給調整システムなど2次利用への道も開ける。

ストアドットは2012年、テルアビブ近郊のヘルツリヤを本拠に創業した。スマートフォン向けバッテリーに続き、EV用XFCの開発に取り組んできた。航続距離と充電時間の問題を解決すればEVが急速に普及するとみてのことだ。

昨年、中国のEVEエナジー(恵州億緯鋰能)との提携をEVバッテリーにも拡大した。安価な材料を用いることでコストを抑え、従来製品と同じ価格でありながら充電時間を半減させられるとみている。2024年の量産化を狙う。