セルビアと中国が年内にFTA締結=セルビア大統領

●両国貿易高は現行の53億ドルから80億ドルへ拡大する見込み

●大統領は五輪開会式に出席し、中国との関係重視をアピール

セルビアのアレクサンドル・ブチッチ大統領は5日、訪問先の北京で習近平国家主席と会談し、両国関係の堅固さを確認した。経済面では遅くとも年末までに自由貿易協定(FTA)を締結できるとの見方だ。

与党・進歩党のユーチューブチャンネルに投稿した動画で明らかにしたところによると、FTAの締結で両国貿易高は現行の53億米ドル(46億ユーロ)から80億ドルへ拡大すると見込まれる。これは対ドイツ貿易高に匹敵する規模だ。

また、中国とのFTAを結んでいることが魅力となり、欧米諸国がセルビアへ投資する動機の一つとなるとみている。

公式統計によると、セルビアの貿易高は昨年、594億ドルに上った。このうち欧州連合(EU)加盟国との取引が60.3%を占める。ロシアを中心とするユーラシア経済連合(EAEU)とのFTAは昨年7月に発効した。

ブチッチ大統領は今回、多くの欧米諸国の首脳が人権問題を理由に北京冬季五輪開会式への出席を見合わせる中で同国を訪問した。これを通じて中国との関係重視をアピールした形だ。

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