エストニア、バルト海地域最大級のデータセンターを開所

●デジタルインフラの強化と環境負荷の縮小を両立

●計画する3棟のうち1棟を4,000万ユーロで整備

バルト海沿岸地域で最大級のデータセンターが17日、タリンで開所した。グリーナジー・データセンターズの運営するもので、デジタル社会を支える基盤を強化する狙いだ。同時に、省エネ化と再生可能エネルギーの利用で、環境に与える負荷(エコロジカル・フットプリント)を縮小する。

今回開所したのは整備が予定されている3棟のうちの1棟で、投資額は4,000万ユーロ。延べ床面積は1万4,500平方メートルに上る。全3棟が稼働すると、その規模は31.5メガワット(MW)と、小さな町の電力需要に相当する。

グリーナジーは新データセンターについて、「個人のネットユーザーとしては、環境に与える負荷を縮小すると同時に電子サービスが利用しやすくなることを意味する。また、国外顧客に対するデータホスティングサービス提供を拡大する基盤となる」と、設置の意義を説明している。

データセンターは、常時稼働を保証するため、重要なサポートシステムの全てにバックアップを備える。バックアップが二重になっているところもある。不正侵入を防ぐため、フェンス、バリケードのほか、動体・温度検知機能付き回転カメラを設置。敷地全体を全方位カメラ監視システムで見張る。関係者の入館時には生体認証などで本人確認を行う。

データセンターの建設費は、中東欧の欧州連合(EU)加盟国が参加する三海洋イニシアチブ(3SI)の投資基金(3SIF)の資金で賄われた。3SIにはバルト海、アドリア海、黒海に面する12カ国が加盟している。

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