米ニュースケール、ポーランドKGHMに小型モジュール原子炉を納入

●KGHMはSMR導入で自家用の石炭火力発電を代替

●発電単価はkWhあたり約6.4円と安価

小型モジュール原子炉(SMR)の開発を手掛ける米ニュースケール・パワーは15日、ポーランドの精銅大手KGHMとSMRの建設で正式に合意した。ニュースケール・パワーは自社製品の「VOYGR」を2029年までに納入する予定だ。

二酸化炭素(CO2)の排出削減を進めているKGHMは今回のSMR導入で自家用の石炭火力発電を代替し、年間800万トンの削減につなげる。両社は昨年9月、SMR導入に関して基本合意していた。

ニュースケール・パワーは2020年8月に米国原子力規制委員会からSMRとしては初めてとなる標準設計承認(SDA)を取得した。同社のSMRは加圧水型炉(PWR)で、圧力容器などが「NPM」と呼ばれるモジュールにまとめられている。モジュールごとに工場で製造して出荷・運搬できるほか、安全性が高いのが特長だ。NPMを6基連結した際の発電単価はキロワット時(kWh)あたり約6.4円で、従来型の原発の発電単価11円よりも安価に発電できる。

KGHMはポーランド南西部に欧州最大規模の銅鉱床を持つほか、モリブデン、パラジウム、ニッケルなども生産している。

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