●同国内発行のカードは国外で、国外発行は国内で利用不可に
●露の金融機関、国際決済は中国銀聯の利用を推奨
クレジットカード大手のジェーシービー(JCB)は8日、ロシアでの取引を停止すると発表した。各国の対ロ制裁措置を踏まえた上で、地域情勢および決済業務の確実な提供の可否を検討し、同国におけるJCBネットワークの提供停止を決定した。これによってロシア国内で発行されたJCBのカードは国外で、ロシア国外発行のJCBカードはロシアで利用できなくなる。すでに、米国のマスターカードとビザもロシア取引を停止している。
ロシア国内発行のカードが国内決済に使えるのは、ロシアの決済システムで処理されるためだ。国際決済については、ガスプロムバンクが「提携先の中国銀聯(チャイナ・ユニオンペイ)カードに入会すれば問題ない」と顧客に案内しているほか、銀聯と未提携のロシアの銀行も銀聯カードの発行を検討しているという。
JCBは2014年にロシア現地法人を設立。翌15年にはロシア中央銀行直轄の決済機関、国家決済カードシステム(NPCS)と、決済カード「ミール」の発行で提携を結んだ。ほかに、ガスプロムバンクやスヴャスバンク、ロシア農業銀行、ロシア極東銀行、サハ共和国アルマズエルゲン銀行(AEB)とカード発行で提携してきた。